8万点の中には,アインシュタインが病気だった母親に宛てて「もっと一緒に時間を過ごしたい」とつづったはがきや, ナチスによる迫害から逃れさせようと愛人との間で交わした手紙,イスラエル建国前にアラブ人とユダヤ人の紛争解決案についてアラブ紙に送った手紙など 私的な資料のほか,幼い子どもが髪がぼさぼさだったアインシュタインに宛てて「散髪をしたほうが格好よくなりますよ」と書いた手紙もあるという. ]]>
本サイト 2011/9/28 【基礎物理】「ニュートリノが光速を超えた」実験結果報道
本サイト 2012/2/26 【基礎物理】「ニュートリノが光速を超えた実験はミス」報道
Nature News March 19 (2012)
Neutrinos not faster than light
]]>
本サイト 2011/9/28 【基礎物理】「ニュートリノが光速を超えた」実験結果報道
OPERA statement
Nature News Feb 27 (2012)
Timing glitches dog neutrino claim
]]>
実験は,スイスとイタリア間の730Kmの距離をニュートリノを飛ばして測定したもの. 専門家向けのプレプリント(論文原稿) arXiv: 1109.4897 (右側の PDF download で本文が手に入る)によれば, データは6シグマ のエラーバーで,(ミュー)ニュートリノ が光速を上回った値を
(60.7 ± 6.9 (統計誤差) ± 7.4 (系統誤差)) ナノ秒
あるいは光速に対して上回った割合を
(v-c)/c = (2.48 ± 0.28 (統計誤差) ± 0.30 (系統誤差)) ×10^{-5}
= 10 万分の2
と報告している.
6 シグマ の範囲から外れることは 10^{-9}=10億分の1 以下の確率で, 誤差いちばん大きく見積もっても光速より速い,という結果になっているようだ.
しかしこの結果は物理学者にとってはまだ懐疑的で,データ解析の途中で見落としている誤差があるのではないか,と 考えられており,他のグループによる再実験報告待ちの雰囲気である. しかしおそらく多くの物理屋は,「どこか測定したものにミスがあるか,データ処理の過程に 隠れた誤差があるにちがいない」と思っているはずだ.特殊相対性以降100年間に積み上げられてきた物理法則や実験結果は, すべて光速が上限である,ということに反しないもので,これがたった1つの実験結果でくつがえることはないと思われる.
上記の論文原稿の結びには,次のように書かれている.
Despite the large significance of the measurement reported here and the stability of the analysis, the potentially great impact of the result motivates the continuation of our studies in order to investigate possible still unknown systematic effects that could explain the observed anomaly. We deliberately do not attempt any theoretical or phenomenological interpretation of the results.
訳しにくい文だが,敢えて意訳すると,
本測定報告の重要性および分析の安定性を考えると,(光速を超える測定結果は)重大な インパクトを引き起こす結果であることは疑いなく,我々は引き続き,ここで観測された 異常(anomaly)な結果を説明するような未知の系統的誤差を調査する. 我々はこの結果に対して,敢えて理論的あるいは現象論的な解釈を論じない.
著者たちも,「大発見」を主張しているわけではない.
これからしばらくは,
明らかなことは,この実験結果をもって,タイムマシンができることにはならないということだ.
Nature News Oct 05 (2011)
Faster-than-light neutrinos face time trial
Nature News Sep 27 (2011) Speedy neutrinos challenge physicists
Nature News Sep 22 (2011) Particles break light-speed limit
OPERA statement
]]>
ニュートンの12月号は,偶然にも『光速C』特集だったため,急遽4ページのニュース記事『光速の壁がやぶられた!?
「ニュートリノ」が相対論の予言する宇宙の最高速度をこえた,と発表された(協力 小松雅宏/白水徹也/真貝寿明/村山 斉)』が組まれることになった.どうしても「タイムマシンができる」と書きたい雑誌編集側に私はここでもブレーキをかける役となった.]]>
- 福島第1原子力発電所からの放射線漏れが懸念されています.人間が放射線を多量に浴びると,細胞や遺伝子が傷つき,組織や臓器の働きが悪くなるなどさまざまな病気の原因になります.特に新しい細胞をつくるために分裂を繰り返す,皮膚や消化粘膜・骨髄の細胞への影響が大きいとされています.
- 自然界には,ある程度の放射線が存在しており,健康診断のレントゲンなどでも放射線を浴びています.通常よりどれだけ多くの放射線量になっているのか,が問題です.
- 一度に100 ミリシーベルトの放射線を浴びると危険となる場合があります.数回にわけて,あるいは微量を蓄積して 100 ミリシーベルトの放射線を浴びた場合はそれより危険度が低くなるそうです(具体的な数値は研究中だとか).
- 放射線は風などで運ばれます.ですから,単純に距離があれば安全というわけではないようです.逆に西から風が吹くことの多い日本では,福島の原子力発電所から放出された放射線は,多くが太平洋に拡散していくようです.(以下の放射線拡散シミュレーションのリンク参照)
- 被曝には2種類あり,「浴びる」場合が外部被曝.放射線を浴びたものを摂取した場合が内部被曝です. 外部被曝は放射性物質を洗い流せばよい.放射線物質を吸い込まないように,濡らしたマスクをするのも良いとされています.内部被曝は医療機関で放射性物質を体外に出す薬(キレート剤)を処方してもらうことになります.人体に取り込まれた放射性のヨウ素は甲状腺がんを引き起こす恐れがあります.海草類を多く摂取すれば甲状腺がんの予防になると言われています.ヨウ素の入ったうがい薬を飲用してはいけません.
シーベルト (Sievert, Sv) は、生体への被曝の大きさの単位で, 放射線防護の研究で功績のあった物理学者シーベルト(1896-1966,スウェーデン)にちなむ. 自然界から通常受けている放射線量は,1人あたり世界平均で年間 2.4ミリシーベルト(2.4ミリSv=2400マイクロSv). つくばのKEKでは,通常は,この半分以下とのことです.
場所により,年間で 1.0 - 7.0 ミリSv(1000-7000 マイクロSv)とのこと.
京都大阪では,3月17日,1時間あたり,0.04 マイクロSvです.気をつけなければならないのは,被曝量は総量が問題になるということです. 報道などでは「マイクロSv/時」の「/時」の部分を全く考慮しないで説明している場合があります. 原発から30km地点(一部)で、一時 100マイクロSv/時 という値が計測されたそうですが, これを 「胃のX線検査に比べて6分の1しかありません」と説明しているものがありました. しかし,もし この値で 24時間被曝したら 2400 マイクロSvで,レントゲン4枚分です. 5日間では 10ミリSv を超えることになります.自然界から受ける放射線量 2.4 ミリSv = 2400 マイクロSv / 1年 (世界平均) = 0.27 マイクロSv / 1時間 CT検査の際に受ける線量 6.9 ミリSv = 6900 マイクロSv / 1回 胃のX線検査で受ける線量 0.6 ミリSv = 600 マイクロSv / 1回 胸のX線検査で受ける線量 0.05ミリSv = 50 マイクロSv / 1回 東京とニューヨークを航空機で往復 0.2 ミリSv = 200 マイクロSv / 1往復 放射線を短期間に全身被曝した場合の致死線量は、 5%致死線量 2 Sv = 2000 ミリSv = 2000000 マイクロSv 50%致死線量 4 Sv = 4000 ミリSv = 4000000 マイクロSv 100%致死線量 7 Sv = 7000 ミリSv = 7000000 マイクロSv と言われているそうです. 許容放射線量は, 自衛隊・消防・警察 50 ミリSv = 50000 マイクロSv /年 (一般の人の)避難 50 ミリSv = 50000 マイクロSv (総量) (一般の人の)屋内待避 10 ミリSv = 10000 マイクロSv (総量) 緊急事態宣言 0.5 ミリSv = 500 マイクロSv /時
- How Bad is the Reactor Meltdown in Japan?
Benjamin Monreal, UCSB
http://online.kitp.ucsb.edu/online/plecture/bmonreal11/
英語ですが,(理系向けに)わかりやすく説明がされています.和訳が素粒子・原子核の研究者によって作られました.
福島原発の放射能を理解する
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
ベクレル (becquerel, 記号: Bq) は,放射能の量を表す単位. 1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレル. ウランの放射能を発見した物理学者ベクレル(1852-1908,フランス)にちなむ. ベクレルの単位は,核種の半減期と存在量と決まる. 例えば,ラジウム226の半減期は1600年であり,1秒間では原子核1個あたり約1.37×10^{-11}個の原子核が崩壊している.1g あたりのラジウム226では 約2.66×10^{21}個の原子核が存在するので,1gのラジウム226の放射能の量は約3.64×10^{10}ベクレルとなる.この値は半減期が過ぎれば半分になる. ベクレルは,放射線の強さ(エネルギー)ではない.強さの単位は,グレイ(Gy).人体に与える被曝量の単位は,シーベルト(Sv)である.両者の単位には 換算公式がある.詳しくはここには、I-131, Cs-137, U-235 などの放射性核種(H-3 からCf-252 まで) ごとに,実効線量(mSv)と線源となる放射能(kBq)との換算公式が, 放射線源の geometry、すなわち点状、線状、面状=土壌汚染、皮膚汚染、 吸入、空気中の放射性核種濃度、経口摂取、等々ごとに評価されている.
- 放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/index.shtml には,専門家向けの資料として http://www.nirs.go.jp/hibaku/kenkyu/te_1162_jp.pdf (p81から)
- 厚生労働省
放射能汚染された食品の取り扱いについて
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303747.htmのトップにリンクあり.- 財団法人日本分析センター
食品による内部被ばくの一般向けの解説
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/servlet/food2_in放射性ヨウ素の暫定基準値(1年間ずっと食べ続けた時に,健康に影響があると考えられる量) ホウレンソウ 2000ベクレル/kg = 0.044ミリSv 原乳 300ベクレル/kg = 0.0066ミリSvこの項,追記する予定です.
今年も,2007年からのスタイルと同じで,Citation Laureate(論文引用賞受賞者)として紹介している. 2007年からThomson社の予想方法は大きく変わり,自社の引用頻度データだけではなく,その分野のパイオニア的な貢献者であることや他賞受賞のデータを加味して 予想するようになった. 本年度の予想の根拠も,
科学3賞と経済学賞を紹介する.昨年の顔ぶれとは全く違う予想をしているので, 参考までに,過去3年の同社の予想した顔ぶれを併記した.
賞 | Thomson Reuter社の予想 | 主な業績 | |
物理学 | |||
2010年予想 | Charles L. Bennett Lyman A. Page David N. Spergel |
for discoveries deriving from the Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (WMAP), including the age of the universe, its topography, and its composition
WMAP衛星を用いた宇宙年齢/宇宙構成要素の特定 | |
Thomas W. Ebbesen | for observation and explanation of the transmission of light through subwavelength holes, which ignited the field of surface plasmon photonics
表面プラズモンなど、サブ波長格子アレイからの光透過に関する研究 | ||
Saul Perlmutter Adam G. Riess Brian P. Schmidt | for discoveries of the accelerating rate of the expansion of the universe, and its implications for the existence of dark energy
宇宙の加速膨張とダークエネルギー存在の兆候の発見 | ||
2009年予想 | Yakir Aharonov Sir Michael V. Berry |
for their discovery of the Aharonov-Bohm Effect and the related Berry Phase, respectively
アハラノフ・ボーム効果の発見、ベリーの位相の発見 | |
Juan Ignacio Cirac Peter Zoller |
for their pioneering research on quantum optics and quantum computing 量子光学と量子計算に関する先駆的な研究 | ||
Sir John B. Pendry Sheldon Schultz David R. Smith | for their prediction and discovery of negative refraction 負の屈折の予測と発見 | ||
2008年予想 | Andre K. Geim Kostya Novoselov | for their discovery and analysis of graphene 炭素の単原子シート、グラフェンの発見と分析 | |
Vera C. Rubin |
for her pioneering research indicating the existence of dark matter in the universe 宇宙のダークマターの存在を示唆する先駆的研究に対して | ||
Sir Roger Penrose Dan Shechtman | for their related discoveries of, respectively, Penrose-tilings and quasicrystals ペンローズ・タイリングと準結晶それぞれの発見に対して | ||
化学 | |||
2010年予想 | Susumu Kitagawa (北川 進) Omar M. Yaghi | for the design and development of porous metal-organic frameworks, whose applications include hydrogen and methane storage, gas purification, and gas separation, among others 多孔性金属-有機骨格の合成法および機能化学の開拓、およびその水素とメタンなどの気体の貯蔵、精製、分離などへの応用 | |
Patrick O. Brown | for the invention and application of DNA microarrays, a revolutionary tool in the study of variations in gene expression
遺伝子発現差異研究における革新的ツール、DNAマイクロアレイの発明と応用 | ||
Stephen J. Lippard | for pioneering research in bioinorganic chemistry, including the discovery of metallointercalators to disrupt DNA replication, an important contribution to improved cancer therapy がん治療の改善における重要な貢献である、DNA複製を阻害するインターカーレーターの発見を含む無機生物化学における先駆的研究 | ||
2009年予想 | Michael Grätzel | for his invention of dye-sensitized solar cells, now known as Gratzel cells 色素増感太陽電池「グレッツェルセル」の発明 | |
Jacqueline K. Barton Bernd Giese Gary B. Schuster |
for their pioneering research on electron charge transfer in DNA DNA内の電子電荷移動に関する先駆的な研究 | ||
Benjamin List | for his development of organic asymmetric catalysis using enamines エナミンを使った有機不斉触媒反応の発展 | ||
2008年予想 | Roger Y. Tsien 2008年化学賞受賞 |
for his development and application of fluorescent protein probes as visual indicators of cellular function 細胞機能の可視標識としての蛍光蛋白質プローブの開発および応用 | |
Charles M. Lieber |
for transformational research on nanowires, nanomaterials, and their applications ナノワイヤー、ナノ材料とその応用 | ||
Krzysztof (Kris) Matyjaszewski |
for his development of atom transfer radical polymerization (ATRP) and other methods of 'living' polymerization 原子移動ラジカル重合法(ATRP)と「リビング」重合の研究 | ||
生理学・医学 | |||
2010年予想 | Ernest A. McCulloch James E. Till |
for the discovery of stem cells 幹細胞の発見 | |
Shinya Yamanaka(山中伸弥) |
for the development of induced pluripotent stem cells 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発 | ||
Douglas L. Coleman Jeffrey M. Friedman |
for the discovery of leptin, a hormone regulating appetite and metabolism 食欲と代謝の調節ホルモン、レプチンの発見 | ||
Ralph M. Steinman |
for the discovery of dendritic cells, key regulators of immune response 免疫応答の主要な調節因子である樹状細胞の発見 | ||
2009年予想 | Seiji Ogawa (小川誠二) |
for his fundamental discoveries leading to functional magnetic resonance imaging (fMRI), which has revolutionized basic research in brain science and diagnosis in clinical medicine fMRI(磁気共鳴機能画像法)の基本原理の発見 | |
Elizabeth H. Blackburn Carol W. Greider Jack W. Szostak 3人組で,2009年生理学・医学賞受賞 | for their roles in the discovery of and pioneering research on telomeres and telomerases テロメア、テロメラーゼの発見とその先駆的な研究 | ||
James E. Rothman | for their research on cellular membrane trafficking 細胞内膜交通の研究 | ||
2008年予想 | Shizuo Akira (審良静男) Bruce A. Beutler Jules A. Hoffmann | for their research on toll-like receptors and innate immunity トール様受容体と先天免疫の研究 | |
Victor R. Ambros Gary Ryvkun |
for Their Discovery and Analysis of the Role Of Micrornas (Mirnas) in Gene Regulation 遺伝子制御におけるmiRNAの役割の発見と分析の研究 | ||
Rory Collins Sir Richard Peto |
for their contributions to clinical medicine and epidemiology through the development and application of meta-analysis 臨床医学と疫学における、メタ分析の開発と応用 | ||
経済学 | |||
2010年予想 | Nobuhiro Kiyotaki (清滝信宏) John H. Moore | for formulation of the Kiyotaki-Moore model, which describes how small shocks to an economy may lead to a cycle of lower output resulting from a decline in collateral values that creates a restrictive credit environment 経済に対しての小さなショックがどのように生産性下落の循環を引き起こすかを示す清滝ムーアモデルの構築 | |
Alberto Alesina | for theoretical and empirical studies on the relationship between politics and macroeconomics, and specifically for research on politico-economic cycles
政治とマクロ経済学との関係、特に政治経済サイクルに関する研究 | ||
Kevin M. Murphy | for pioneering empirical research in social economics, including wage inequality and labor demand, unemployment, addiction, and the economic return of investment in medical research, among other topics 賃金格差と労働需要、失業、依存症、医学研究への投資の経済的回収を含む、社会経済学における先駆的研究 | ||
2009年予想 |
Ernst Fehr Matthew J. Rabin | for their contributions to behavioral economics, including issues of preferences, fairness, and cooperation 社会的選好、公平性、協調を含む行動経済学への貢献 | |
William D. Nordhaus Martin L. Weitzman |
for their contributions to environmental economics, particularly with respect to climate change 環境経済学、特に気候変動に対する貢献 | ||
John B. Taylor Jordi Gali Mark L. Gertler |
for their research on monetary policy 金融政策に関する研究 |
物理学賞に限ってコメント.
本年度は10月4日より毎日,生理学医学賞・物理学賞・化学賞の順で発表される.
最近のノーベル物理学賞受賞者 (当サイト)]]>新しい基準となった ランキングの5要素とその比率は以下のもの.
Teaching — the learning environment(教育) | 30% |
Research — volume, income and reputation(研究) | 30% |
Citations — research influence(論文の引用インパクト) | 32.5% |
Industry income — innovation(業界収入) | 2.5% |
International mix — staff and students(国際構成比) | 5% |
トップ20は,以下の大学.
順位 | 大学名 | 国名 | ポイント |
1 | Harvard University | US | 96.1 |
2 | California Institute of Technology | US | 96.0 |
3 | Massachusetts Institute of Technology | US | 95.6 |
4 | Stanford University | US | 94.3 |
5 | Princeton University | US | 94.2 |
6 | University of Cambridge | UK | 91.2 |
6 | University of Oxford | UK | 91.2 |
8 | University of California Berkeley | US | 91.1 |
9 | Imperial College London United Kingdom | UK | 90.6 |
10 | Yale University | US | 89.5 |
11 | University of California Los Angeles | US | 87.7 |
12 | University of Chicago | US | 86.9 |
13 | Johns Hopkins University | US | 86.4 |
14 | Cornell University | US | 83.9 |
15 | Swiss Federal Institute of Technology Zurich | Switzerland | 83.4 |
15 | University of Michigan | US | 83.4 |
17 | University of Toronto | Canada | 82.0 |
18 | Columbia University | US | 81.0 |
19 | University of Pennsylvania | US | 79.5 |
20 | Carnegie Mellon University | US | 79.3 |
アジア地域を抽出すると,次のようになる.日本は5大学のみランクインした.
順位 | 大学名 | 国名 | ポイント |
21 | University of Hong Kong | Hong Kong | 79.2 |
26 | 東京大学 | Japan | 75.6 |
28 | Pohang University of Science and Technology | Republic of Korea | 75.1 |
34 | National University of Singapore | Singapore | 72.9 |
37 | Peking University | China | 70.7 |
41 | Hong Kong University of Science and Technology | Hong Kong | 69.0 |
49 | University of Science and Technology of China | China | 66.0 |
57 | 京都大学 | Japan | 64.6 |
58 | Tsinghua University | China | 64.2 |
79 | Korea Advanced Institute of Science and Technology | Republic of Korea | 59.5 |
107 | National Tsing Hua University | Taiwan | 56.1 |
109 | Seoul National University | Republic of Korea | 56.0 |
111 | Hong Kong Baptist University | Hong Kong | 55.6 |
112 | 東京工業大学 | Japan | 55.4 |
112 | Bilkent University | Turkey | 55.4 |
115 | National Taiwan University | Taiwan | 55.2 |
120 | Nanjing University | China | 54.6 |
130 | 大阪大学 | Japan | 53.4 |
132 | 東北大学 | Japan | 53.3 |
1位 |
アルディピテクス・ラミダス
(
Ardipithecus ramidus
) 1994年にエチオピアで発見された人類最古の化石が,15年の発掘処理を経て,440万年前のものと特定された.この「女性」はアルディピテクス・ラミダス(Ardipithecus ramidus,アルディピテクス属のラミダス猿人)と命名された.「根」と「地面」を指すアファール語にちなんだ名称で,ヒトの系統樹の根に近い部分に位置する地上生活の類人猿であることを表わす.現在のところアルディは古代の化石骨の中で群を抜いて完全な標本であり,その化石骨125片には頭蓋骨と歯の大半,骨盤,四肢が含まれている.ドイツのネアンデル渓谷から出土したネアンデルタール人(初めて発見された人類化石),南アフリカで1924年に発見されたタウング・チャイルド,1974年のルーシー(320万年前のアウストラロピテクス Australopithecus)の発見を超える発見. |
2位 |
ガンマ線の空間を拓く
(
Opening Up the Gamma Ray Sky
)
2008年6月に米航空宇宙局(NASA)が打ち上げたフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡(Fermi Gamma-ray Space Telescope)が,打ち上げから数ヵ月の間にフェルミが収集したデータをつなぎ合わせ,16個のパルサーを新たに発見した.以前から知られていた8個のパルサーのガンマ線の波動は強力で回転時間も数ミリ秒だが,これらのパルサーでは電波領域の場合と同じようにガンマ線波長でも明るいパルスを発することが分かった.この発見は電波望遠鏡による探索でも追認された.1991年から2000年まで活動したコンプトン・ガンマ線観測衛星(Compton Gamma Ray Observatory)は,感度が悪く,パルサーの発見は少数だったが,今後は観測データの蓄積により,パルサーの天体物理研究が進むと考えられる. |
3位 |
ABA受容体
(
ABA Receptors
) 植物にはアドレナリン放出下での「闘争‐逃走反応」という行動パターンはないが,これに相当するものとしてアブシジン酸(ABA)と呼ばれる化学物質による反応がある.厳しい生育環境下にある時期には,ABA濃度の上昇によって種子は休眠状態に保たれ,水分の喪失や根などの生長が抑制される.この重要な植物ホルモンの受容体を,5月,2つの研究チームが異なるアプローチで同定した.ドイツの研究チームは,ABAの作用を促進することが判明しているABI1およびABI2と呼ばれる酵素に結合する蛋白質を探ることによってABA受容体の同定に迫った.彼らは2つの蛋白質を発見し,「ABA受容体制御成分(regulatory component of ABA receptor:RCAR)」と命名した.カリフォルニアの研究チームは,ABAの作用を促進するピラバクチン(pyrabactin)と相互作用を示す物質を突き止めることによってABA受容体を同定し,PYR1と命名した.両研究グループは,それぞれが同定した受容体が,14個から成る同じ蛋白質ファミリーに属していることを発見した. |
4位 |
単極子に似た擬似粒子,発見される
(
Mock Monopoles Spotted
) イギリスの理論物理学者であるPaul Diracによって,1931年に導入された磁気単極子(magnetic monopole)は,いまだにその存在が確認されていないが, 2つの研究チームが磁気リップル,つまり,磁性結晶内で単極子のようにふるまう「擬似粒子」を作ることに成功した.9月に報告された単極子は,チタン酸ホルミウムやチタン酸ジスプロシウムといったスピンアイスとして知られている物質の中にのみ存在する.それらの物質の中では,氷の中の水素イオンのように,四角錐もしくは四面体の各頂点でホルミウムもしくはジスプロシウムの磁気イオンが回転する.低温では四面体内で2つのイオンはN極が内向き(四面体の中央を向く),残りの2つのイオンはN極が外向きになっている.1つのイオンが反転すると,3つのイオンN極が内向きのアンバランスな四面体が1つ,また1つのイオンのN極が内向きの四面体が1つできる.スピンの反転が続くと,アンバランスな状態が自由に拡がり単極子のようにふるまう.単極子の存在は,電磁気力・弱い核力・強い核力を1つのものの異なった側面であると捉える「大統一理論(grand unified theories)」によっても予測されている. |
5位 |
長寿と繁栄
(
Live Long and Prosper
) ラパマイシンという化合物によるマウスの延命が明らかになり,初めて薬物で哺乳類の寿命が延びた.米国の3つの研究所が,ヒトの60歳に相当する生後600日のマウスへラパマイシンを含んだ餌を与えたところ,寿命は9〜14%延びた.医師は腎がんの治療や移植臓器の拒絶反応を抑えるために,ラパマイシンを処方する.ラパマイシンは,タンパク質合成から細胞分裂まで,すべてに関与するTOR経路を阻害する.しかし特異的な死因を修復することはなかった.マウスは潰瘍や心不全といった加齢によるあらゆる慢性病を発症していた.また,ラパマイシンがカロリー制限(CR)と同じように働くとは考えられなかった.CRが長寿につながるかもしれないというアカゲザルによる実験はあるが,別の問題のようである. |
6位 |
月表面の氷の謎が明らかに
(
An Icy Moon Revealed
) 月の極付近の永久影のクレーター,カベウス(Cabeus)に向けて,重さ2トンのロケット部分を時速7,200kmで衝突させたところ,数リットルの水が目撃された.月面衝突探査機エルクロス(Lunar Crater Observation and Sensing Satellite:LCROSS)のミッションは,衝突時の水煙に水蒸気,氷,そして水由来のヒドロキシ基の存在を示すスペクトルの明確な特徴を認めるとともに,水源の証拠も公表した.センサーは,水氷とともに埋まっていた一酸化炭素,メタン,メタノールといった分子も検知した.これらは彗星や氷状小惑星で発見される種類の化合物であり,したがって,少なくとも月面の数ヵ所には,数十億年の間に月面に衝突した天体の痕跡が認められる可能性もある. |
7位 |
遺伝子治療再び
(
Gene Therapy Returns
) 遺伝子治療(DNAを修復して機能不全に陥っている細胞の回復を図る治療)は,単一遺伝子の異常による疾患に対する素晴らしい解決策として期待されているが,1990年にヒトを対象とした初の研究がスタートして以来,数々の技術的な問題や頓挫に直面してきた.2008年はついにいくつかの難治性疾患の治療に成功したという報告があった.
|
8位 |
グラフェンが好調
(
Graphene Takes Off
) 2004年に英国の研究者が,グラファイトの塊から炭素原子の単原子層シートをはがす簡単な方法を発見して以来,グラフェン薄膜の研究が急速に進んでいる.2008年は,新たな基本的洞察をはじめ,大きなグラフェンシートをつくり,それを新たなデバイスに応用する方法など,一連の発見に至った.
|
9位 |
蘇ったハッブル (
Hubble Reborn
) 5月にスペースシャトル「アトランティス」のクルーによる11日間に5回の宇宙遊泳を通じた修理が成功し,ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が19年前に打ち上げられて以来最高の画像を撮影するようになった.HSTの寿命はあと5年延びた. 広視野カメラ2(Wide Field Camera 2 :WFC2)の新しい広視野カメラ3への交換(画像解像度は10倍以上),紫外線分光器(Cosmic Origins Spectrograph:COS)の取り付け(これによってHSTの紫外スペクトルの観測能力が高まる),また既存の2つの装置,掃天観測用高性能カメラ(Advanced Camera for Surveys:ACS)と宇宙望遠鏡撮像分光器(Space Telescope Imaging Spectrograph:STIS)の調整などが含まれる. 9月9日,NASAはミッションの結果を公表し,バタフライ星雲やケンタウルス座のオメガ星団(球状星団として知られる)をはじめ,驚嘆すべき数々の恒星の壮観な画像を公開した.HSTが仕事を再開したのである.現在,HSTのデータを用いた科学的研究が急ピッチで進められている. |
10位 |
世界初のX線レーザーの光
(
First X-ray Lase Shines
) 4月,米国SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)で,世界初のX線レーザーが稼働した.線型加速器コヒーレント光源(Linac Coherent Light Source:LCLS)と呼ばれる130メートルもある新型施設は,研究所の3kmに及ぶ線型粒子加速器によって作動する. 輝度が従来のX線源の10億倍というLCLSは,パルス幅も200万分の1ナノ秒と短く,進行中の化学反応の静止画像も十分に撮影することができる.LCLSは原子スケールの空間分解能と時間分解能とを兼ね備えた初の装置である.また,コヒーレント量子波でX線を発生させるため,研究者は従来のレーザー用に開発された技術を借用することもできる.10月にはLCLSを使った実験がスタートした. |
早野氏のウエブサイト 物理学者とともに読む「天使と悪魔」の虚と実 50のポイントにも書かれているように, 意図は,
エンターテイメントの科学性を論じるのは「やぼ」と承知していますが、原作冒頭から「事実」として反物質のことが記されており、一般の方々には、虚実の境目が見分けにくいと考え、天使と悪魔に登場する反物質の虚実皮膜を絵解きし、我々日本グループも深く関わっているこの研究の現状についてお伝えしたかったとのこと.実際に伝えたかった内容は,
CERNでは,1周 27 km の加速器LHCが,まもなく稼働する. (2008年9月に稼働を始めたが1ヶ月でヘリウム漏れ事故が発生して中断. 2009年11月中旬に運転再開の予定).素粒子標準理論の核となるHiggs粒子を見つけるのが 最大の目的だが,もし時空が4次元ではなく高次元だとするならば,小さなブラックホールが 生成されて蒸発する可能性が指摘されている.理論物理としてはとても面白いネタで盛り上がって いるのだが,世の中にはブラックホールという言葉に敏感に反応して「危険である」とか「タイムマシンができる」とかいう噂も広がった.これらに対して,LHCの研究者は昨年の6月に安全宣言を出している.詳しくは,
http://jp.arxiv.org/abs/0806.3414に書かれている. ]]>
Review of the Safety of LHC Collisions
テロメアは,ヒトを含む真核生物の染色体にあり,染色体を安定させ保護する役割をもつ.
細胞が分裂するたびに染色体が短くなることが、以前から予想されており,
細胞の老化と関連すると見られていたが,詳しい仕組みは不明だった.
ブラックバーン氏は,単細胞の繊毛虫「テトラヒメナ」のDNAを解析し,テロメアの塩基配列を特定して1980年に発表.
さらにショスタク氏とパン酵母の細胞内にテロメアを入れることにより,染色体が老化から守られることを確認した.
ブラックバーン氏は,さらにグライダー氏と1984年に短くなったテロメアを伸ばす酵素(細胞の老化を防ぐ働きをする酵素)
を見つけ「テロメラーゼ」と名付けた.
老化が早く進む病気の人はテロメアが短いなど,謎の多い人間の老化現象の解明が進みつつある.
また最近では,がん細胞では酵素テロメラーゼが活発に働いて無限に増殖させていることが分かっており,新たな抗がん剤開発研究にもつながっている.
受賞者の発表後,ロシアのメディアは,染色体のテロメア構造の解明はロシアの研究者アレクセイ・オロブニコフ氏がソ連時代の
1971年に既に理論として指摘しており,同氏にも同賞が授与されるべきだとのロシアの学者の声を報道している.
賞金は1000万クローナ(約1億3200万円)を3人が等分する.自然科学分野で女性2人が同時受賞するのは初めて.
カオ氏は1966年,それまで信号の到達距離が短かった光ファイバーに対し,素材に純度の高い石英ガラスを使えば,100キロ以上でも光信号を伝えられることを理論的に予測し,「光ファイバー通信の父」と呼ばれている.現在の高速通信の時代を築いたことになるが,光通信に関しては, 西澤潤一・元東北大学長(83)が光通信の3要素(半導体レーザー、光ファイバー、受光素子)を考案する 選考研究を行っていた.西澤氏は「光通信の父」と言われ,スウェーデン王立科学アカデミーも西澤氏の業績に言及した. 西沢氏は,1965年ごろ(光ファイバーの)屈折率を工夫すると光が遠方に伝わるというアイデアをカオ氏に伝えた,という.
ボイル氏とスミス氏は1969年、CCD(Charge Coupled Device,電荷結合素子) を世界で初めて発明した.
光電効果を利用して,光の情報を電気信号に置き換える技術で,現在はデジタルカメラなどに広く使われている.
賞金は1000万クローナ(約1億3200万円).カオ氏が半分,残りを2人が等分する.
たんぱく質は生命活動に欠かせない物質で,アミノ酸という分子が数多く組み合わさってできている.
DNAにある遺伝情報を「mRNA」と呼ばれる分子がコピーし,それを基にリボソームに伝える.
リボソームは遺伝情報に従ってアミノ酸を並べ,たんぱく質を組み立てる小器官である.
リボソームは大小二つの部品でできており,巨大で複雑な分子のため,結晶化するのは不可能と考えられていた.
ヨナット氏は1980年にリボソームの結晶化に成功.
スタイツ氏とラマクリシュナン氏がそれぞれ,結晶にX線を当てて結晶内部の原子配列を決める手法を駆使してリボソームの各部品の構造を明らかにした.
また,細菌のリボソームに抗生物質が結合し,その働きを阻害する様子も解明した.
抗生物質は繰り返し使うと細菌が抵抗力を持ってしまう.この功績は新型の抗生物質をより簡単に設計することに貢献した.
賞金は1000万クローナ(約1億3200万円).3等分する.
今年も,2007年からのスタイルと同じで,Citation Laureate(論文引用賞受賞者)として紹介している.科学3賞と経済学賞を紹介する.昨年の顔ぶれとは全く違う予想をしているので, 参考までに,昨年の同社の予想した顔ぶれを併記した.
賞 | Thomson Reuter社の予想 | 主な業績 | |
物理学 | Yakir Aharonov Sir Michael V. Berry |
for their discovery of the Aharonov-Bohm Effect and the related Berry Phase, respectively
アハラノフ・ボーム効果の発見、ベリーの位相の発見 | |
Juan Ignacio Cirac Peter Zoller |
for their pioneering research on quantum optics and quantum computing 量子光学と量子計算に関する先駆的な研究 | ||
Sir John B. Pendry Sheldon Schultz David R. Smith | for their prediction and discovery of negative refraction 負の屈折の予測と発見 | ||
2008年予想 | Andre K. Geim Kostya Novoselov | for their discovery and analysis of graphene 炭素の単原子シート、グラフェンの発見と分析 | |
Vera C. Rubin |
for her pioneering research indicating the existence of dark matter in the universe 宇宙のダークマターの存在を示唆する先駆的研究に対して | ||
Sir Roger Penrose Dan Shechtman | for their related discoveries of, respectively, Penrose-tilings and quasicrystals ペンローズ・タイリングと準結晶それぞれの発見に対して | ||
化学 | Michael Grätzel | for his invention of dye-sensitized solar cells, now known as Gratzel cells 色素増感太陽電池「グレッツェルセル」の発明 | |
Jacqueline K. Barton Bernd Giese Gary B. Schuster |
for their pioneering research on electron charge transfer in DNA DNA内の電子電荷移動に関する先駆的な研究 | ||
Benjamin List | for his development of organic asymmetric catalysis using enamines エナミンを使った有機不斉触媒反応の発展 | ||
2008年予想 | Roger Y. Tsien 2008年化学賞受賞 |
for his development and application of fluorescent protein probes as visual indicators of cellular function 細胞機能の可視標識としての蛍光蛋白質プローブの開発および応用 | |
Charles M. Lieber |
for transformational research on nanowires, nanomaterials, and their applications ナノワイヤー、ナノ材料とその応用 | ||
Krzysztof (Kris) Matyjaszewski |
for his development of atom transfer radical polymerization (ATRP) and other methods of 'living' polymerization 原子移動ラジカル重合法(ATRP)と「リビング」重合の研究 | ||
生理学・医学 | Seiji Ogawa (小川誠二) |
for his fundamental discoveries leading to functional magnetic resonance imaging (fMRI), which has revolutionized basic research in brain science and diagnosis in clinical medicine fMRI(磁気共鳴機能画像法)の基本原理の発見 | |
Elizabeth H. Blackburn Carol W. Greider Jack W. Szostak | for their roles in the discovery of and pioneering research on telomeres and telomerases テロメア、テロメラーゼの発見とその先駆的な研究 | ||
James E. Rothman | for their research on cellular membrane trafficking 細胞内膜交通の研究 | ||
2008年予想 | Shizuo Akira (審良静男) Bruce A. Beutler Jules A. Hoffmann | for their research on toll-like receptors and innate immunity トール様受容体と先天免疫の研究 | |
Victor R. Ambros Gary Ryvkun |
for Their Discovery and Analysis of the Role Of Micrornas (Mirnas) in Gene Regulation 遺伝子制御におけるmiRNAの役割の発見と分析の研究 | ||
Rory Collins Sir Richard Peto |
for their contributions to clinical medicine and epidemiology through the development and application of meta-analysis 臨床医学と疫学における、メタ分析の開発と応用 | ||
経済学 |
Ernst Fehr Matthew J. Rabin | for their contributions to behavioral economics, including issues of preferences, fairness, and cooperation 社会的選好、公平性、協調を含む行動経済学への貢献 | |
William D. Nordhaus Martin L. Weitzman |
for their contributions to environmental economics, particularly with respect to climate change 環境経済学、特に気候変動に対する貢献 | ||
John B. Taylor Jordi Gali Mark L. Gertler |
for their research on monetary policy 金融政策に関する研究 |
2007年からThomson社の予想方法は大きく変わり,自社の引用頻度データだけではなく,その分野のパイオニア的な貢献者であることや他賞受賞のデータを加味して 予想するようになった.昨年は化学賞と経済学賞で「当たり」を出したので今年も注目したい所だ.
物理学賞に限ってコメント.
本年度は10月5日より毎日,生理学医学賞・物理学賞・化学賞の順で発表される.
最近のノーベル物理学賞受賞者 (当サイト) ]]> (2009/10/8 追記)生理学・医学の「テロメア」3人が大当たり.他は外れだった.『新たな知を創造する基礎研究から出口を見据えた研究開発まで、さまざまな分野及びステージを対象とした、3〜5年で世界のトップを目指した先端的研究を推進することにより、産業、安全保障等の分野における我が国の中長期的な国際的競争力、底力の強化を図るとともに、研究開発成果の国民及び社会への確かな還元を図ることを目的とする。』7月3日に公募開始,7月24日に締め切られ,565件の応募があった.9月4日に30人が選定されて発表された.平均90億円,予算総額2700億円という触れ込みであったが, 選定された課題の予算総額は3500億円だという.ただし,政権交代でこの予算が計画どうり配分されるのかは定かではない.
朝日新聞は9月11日,選定された研究が『「実績重視」との疑問も』という見出しで選定結果を載せた. わずか1ヶ月でこれだけの予算を決める拙速な選考にも批判がある.
しかし,科研費全体が2000億円規模なのに,30人が,それより多いとは大きすぎないか??
行った実験は,B中間子がレプトン対を放出しながらK*中間子(K中間子の励起状態)などに 崩壊する過程で,示されたデータは,K*中間子の方向に対する正荷電レプトンの方向の 前後方非対称度.データの蓄積ではじめて解析が可能になった. この崩壊の過程では,ZボゾンやWボゾンと呼ばれる重い粒子が 一瞬だけ生成されることが知られているが, その際,標準理論を超える未知の新粒子が生成されることも指摘されていた. 測定値は,素粒子の標準理論ではなく,超対称理論の方に近い値を示しており, この差異から,ZやWボゾン以外の未知の粒子が生成されたことも考えられ得るという.
これまで,Bファクトリー実験は,B中間子の崩壊実験から,
超対称理論は,ボソン粒子とフェルミオン粒子の入れ替え対称性を含めた理論であるが, 未だに直接的な実験事実によってサポートされているものではない.