【イベント】計算尺をつくる

日経サイエンス2006年8月号の記事「計算尺を知っていますか」(原文はC. Stoll, Scientific American,2006-5, 原題はWhen Slide Rules Ruled)では,電卓登場前に科学者が必携だった計算尺が紹介されている.対数スケールを上手く利用することにより,かけ算や割り算が行えることや,実際にコピーして製作できるサンプルも付いている. 1953年のIBMのコンピュータの広告は, 「技術者150人分の計算能力(150 Extra Engineers)」という宣伝コピーと共に,計算尺を持つ技術者の絵が描かれている. ちなみに計算尺の英訳は,calculating scaleとかslide rule.計算尺を使う,は,calculate on a slide rule.

私も作ってみて,なかなか面白かったので,大学1年生の授業でも「夏休みの宿題」としてプリントにして配布した. 「作って提出するんですか」と真面目に聞いてきた学生もいた.^^; 

計算尺を利用するにあたっては,繰り上げ繰り下げは自分で 前もって予測しておく必要があり,単なる電卓で答えを得る以上に頭を使う. もともと計算は,頭を使うもののはずだったなあ,と再認識させられる. 計算尺推進委員会というページもあり,計算方法やキット・ 今でも購入できる店へのリンクなどがある.

ところで最近,同じく,手を動かして確認すると感動するモノとして, ミウラ折りがある.一瞬で開いたり畳んだりすることができる紙の折り方で, 宇宙科学研究所(現宇宙航空研究開発機構)の三浦公亮氏が,人工衛星の太陽電池パネルのために考案したもの. 小学生の子供も楽しんで折っていた. 地図の折り方として,最近は本屋でも見かけるようになった.商品として折るときは,ちょっと手間がかかりそうな 気もするが.