【おすすめ】失敗知識データベース

科学技術振興機構(JST)が, 英語版失敗知識データベースの一般公開を開始 した.知らなかったのだが,日本語版の 失敗知識データベース(http://shippai.jst.go.jp/)は, すでに存在していて,その英語版ということらしい. 上記のwebには,「単なる事故事例データベースとは異なり、失敗事例を分析して教訓を抽出し、知識として活用できるようなデータベース」という位置づけがある.

例えば,「航空・宇宙」分野では, 「H-2Aロケット6号機打上げ失敗」や「スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗」などの有名な事故をはじめとして60数件が データベース化されていて,それぞれに,「事象,経過,原因,対処,対策,知識化,後日談, よもやま話,シナリオ,情報源,死亡者数」などが細かく記載されている.

感心したのは,「失敗まんだら」という 名の3枚の図があり,「失敗原因の分類」「失敗行動の分類」「失敗結果の分類」の各図には構造化された要因が配置され, この要因キーワードから逆に失敗実例を検索できるようになっていることだ.原因が「無知」にあったのか 「未知」にあったのか,それとも「不注意」か「誤判断」か...自分のことなら耳が痛くなりそうだが,これだけ 系統化されていれば,今後の判断も容易になりそうだ.

失敗に学ぶ,ことを目標に, 失敗知識の伝達をこのような国家プロジェクトとしてまとめ,公開していることは,素晴らしいことだと思う. データベース化されているのは,産業・工業系が主であるが,このような構造化やデータベース化は,もちろん 日常にも活かすことができよう.今回はなんだか教育的になってしまった. 失敗・反省が趣味の方にはチョーお奨めのサイトである.