連星中性子星 PSR J0737-3039A/B を用いた一般相対性理論のテストが論文として報告された(
M. Kramer et al, Science 313 (2006) 1556).この連星系は,2003年に著者らのグループによって
発見されたもので,2つの中性子星がどちらも電波源として特定できる(現在のところ)唯一の系である.
距離は地球から2000光年であり,連星の軌道周期は2.4時間で,
Hulse-Taylorの連星よりも強い重力場を形成している.
今回の報告では,2.5年のデータをもとにして,重力波放出に伴う連星軌道周期の変化, 相手の連星付近を通過することによる電波パルスの遅れ, 連星の質量比(1.07)などの5つのパラメータを求め,それらから アインシュタインの理論の予言から求められる, 軌道のKepler軌道からのズレを示すpost-Keplerianパラメータ s と比較した. その結果,sの観測値と理論値のズレは,0.05%以内になったという.これは,これまでに行われた連星系のテストの内でも最も精度が高い(と,論文のアブストラクトに書かれている).観測を続けることにより,将来的には現在の太陽系内よりも高い精度で重力理論の検証が可能になるという.
PhysicsWebでは,一般相対性理論は,99.5%正しい,と結論しているが,99.95%ではないだろうか.
Pulsars prove Einstein right (nearly) 9/21 PhysicsWeb