【科学政策】研究者用SNS−ポスドクの就職改善に

国立大学の工学部長で構成する8大学工学部長懇談会は10月25日,大学の博士課程者向けのソーシャルネットワーキングサイト(SNS)「UCEE研究者データベース 求人情報・論文情報を統合したアカデミックSNS」を開発,本格的なサービスを開始したと発表した.ホームページアドレスはhttp://www.ucee.jp/. (8大学工学部長懇談会は北海道大,東北大,東大,東工大,名古屋大,京都大,大阪大,九州大の工学部長(工学系研究科長)で構成されている.)

自らの研究内容を発信したり,研究者同士が交流する通常のSNS機能だけでなく,科学技術振興機構(JST)の求人データベースとのリンクや,国内2万3000社の博士求人情報を取り込む機能を持ち,深刻化する博士後期課程修了者(ポスドク)の就職環境の改善に役立てていく,という.米トムソンコーポレーションの世界最大級の学術情報データベースともリンクした.工学系だけなく全学術分野を対象にしており,登録も博士課程者以外に修士・学部生,教員,企業研究者と幅広く可能だという.
10/25 日刊工業新聞

以下,個人的な感想.

まだhttp://www.ucee.jp/は,立ち上げた直後なので,登録者も情報も少なく,SNSとして機能するには時間がかかると思われる. 私も登録したが, 求人情報としては, http://jrecin.jst.go.jp/に直接リンクしているし,企業からの求人も一括して検索できるので便利ではある. JSTの http://read.jst.go.jp/は,職のある研究者に限って,個人情報を登録できるシステムであるが,大学院生も参加でき,SNSとして個人のアピールができる場所がofficialにできたことは良いことだろう.ただ,初期登録項目の多さは敷居が高い.自分の論文をこまめに登録する人はどの位いるのだろうか.論文登録などはhttp://read.jst.go.jp/とリンクしてくれれば,便利になると思われる.少なくとも,利用者が増えないと,こういうSNSは機能しないことは確かだろう.