【宇宙物理】アンドロメダ銀河との合体シミュレーション

我々の銀河系と,隣にあるアンドロメダ銀河(M31,230万光年)は,互いの重力で引き寄せあっており,近い将来衝突して合体すると考えられている.そのようなシミュレーションを行った結果がプレプリント論文として投稿された.

ハーバード・スミソニアン天体物理センターの重力多体計算によれば,今から約20億年後に,M31と我々の銀河が最初の接近を迎える.2つの銀河は合体の前に互いの周りを2,3度回り,完全に楕円形の1つの銀河になるのは,今から約50億年後.太陽系自体も,互いの星が混ざり合う過程で,銀河の中心から現在の4倍ほども離れた位置になるという.論文著者のLoeb氏は,この論文は50億年後もciteされるだろう,と誇らしげ.

時期的には,まだ太陽が水素燃焼している頃だと考えられるが,太陽が燃え尽きる前にこのような天文現象が見られることになる.地球から見られる星の数も格段に増え,位置も変わるので,星座盤の書き換えが必要になるだろう.

2007/06/01 AstroArts どうなる,太陽系の遠い未来
2007/05/14 CfA Press Release No.2007-14 When Galaxies Collide, our Solar System Will Go for a Ride
T.J. Cox, Abraham Loeb, arXiv:0705.1170 [astro-ph] The Collision Between The Milky Way And Andromeda