大学院生の勉強会である 「天文天体物理若手の会夏の学校」に呼ばれ, 相対論のセッションで1時間の話をした. 群馬の草津温泉で,300人以上の大学院生が集合しても,まだ貸し切りではないという大きな宿である. 最近の若手の合宿は,こんな豪華な所でやるのかー,と感心しながら,1泊2日だけお邪魔した.
何の話でも良い,という依頼だった. 一方で,できるだけコアな相対論の話をとのリクエストもあったそうだ. 今年のセッションのテーマは『誉れ高き「非常識」』というものらしい. この企画の元に何故私が招待されたのかを考えると非常に複雑な気持ちになる. 私が非常識な人間と思われているのかもしれないが, それは良い意味に解釈して,話をお引受けした.
単なる研究テーマの1つのレビューでは, 聞いている人もオモシロクナイだろう. レビューというのは,ある程度出来上がった話をまとめるものであり, 研究面では「ひとつの区切り」である. 「勉強する」という意味ではありがたいが, これから「研究する」人にとってはなかなかそう簡単に テーマを見つける糸口になりにくいのも確かだ.
そう考えて,若手を前にして,研究テーマはそもそもどうやって見つけたら良いのか, ということを共に考えてみたいと思った. 結論から言うと,そんなことは私が知りたい位で,答えがあったら誰にも言わ ずに一人占めしたいものである.(いいかげんな結論で申し訳ない).
伝えたかったのは,
- 修士論文で指導教員が与えてくれるテーマは,パターン化された練習問題レベルであること.
- 自分の到達したい研究を大きく考えること
- 小さな仕事と大きな仕事を区別すること
- 自分が本当に研究を楽しめているのかどうか,一度 立ち止まって考えて欲しいこと
「相対論研究のテーマ探し 何が常識・非常識?」(pdf, 10MB)
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