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Einstein1905.info :: What's New in Science?

2005年1月/2月分    最新版はここ,    索引はここ

週に一度くらいのペースで,私が見聞した情報をここに書いていきます.月曜か火曜に更新予定.

2005年
02/28
02/21
02/14
01/31
01/25
01/18
01/02
2004年 開く 閉じる
2003年 開く 閉じる

by H. Shinkai


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2005/02/28 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

今週のサイエンス情報

  • 【宇宙開発】H2Aロケット7号機,打ち上げ成功
    国産大型ロケット「H2A」7号機が26日、鹿児島県・種子島の宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターから打ち上げられた。03年11月の失敗から1年3カ月ぶりの再開で、気象衛星「ひまわり5号」の後継となる運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)を予定通り分離し、打ち上げは成功した。H2A打ち上げは01年の1号機から5号機まで連続して成功していた。(6号機は情報収集衛星(偵察衛星)を搭載して打ち上げられたが、大型固体補助ロケット のノズル(噴射口)の設計ミスにより,打ち上げ11分後に地上からの指令で爆破された。 )MTSATは天気予報や台風の進路予測に重要な役割を果たすほか、航空管制にも使われる。気象機能は5月末、航空管制機能は年末をめどに運用を始める。 (JAXA 発表2/26 朝日新聞2/28 AstroArts

  • 【宇宙観測】「暗黒銀河」を初観測か
    Cardiff 大のグループが,電波望遠鏡による水素輝線の観測により,乙女座(Virgo)銀河団の中に,光学的に見える星を含まない新しいタイプの銀河VIRGOHI21を発見した,と報告した.水素ガスの質量は,太陽の10^8倍であり,ガスの回転速度から,銀河全体はガスの質量のさらに数倍あるという.これまで銀河内は暗黒物質で占められていることが確実とされているが,暗黒物質だけで構成された銀河の発見は初めてだという. (R Minchin et al. Astrophysical Journal at press). 2/26 PhysicsWeb

  • 【惑星探査】Cassini衛星による土星観測,論文が出版
    昨年6月より土星の周りの軌道にあるCassini衛星を用いたデータ収集結果から, NASA/ESA は,8本の論文を発表した.新しい月の存在や輪の構造,磁場の構造などについて知見が得られたという. Science 307, 1226では,土星のAリングとFリングの間により微細な構造があることと,土星の月 Atlas と Panがリングを通過する際の密度波から,月の詳しいパラメータを報告. Science 307, 1237では,昨年発見された直径5Kmほどの月Polydeucesが,より大きな月Dioneと重星であること,及び最も外側の軌道を回る月Phoebeが氷分を多く含んだ岩石で成り立っていることを報告. (2/25 PhysicsWeb, 2/25 Science)

 

今週のサイエンティスト情報

  • 【政策】科学技術・学術審議会 基本計画特別委員会
    議題は,
    • 知の創造と活用の好循環によるイノベーションの創出について
      地域における科学技術振興について (11/25 第4回
    • 科学技術と社会の関わり
      科学技術振興のための基盤の整備(大学等の施設整備) (12/9 第5回
    • 大学関係団体からの意見発表
      知識基盤社会の時代における大学の改革について (1/14 第6回
    • 科学技術・学術審議会総会における意見の概要について
      競争的資金の拡充と制度改革の推進について,評価システムの改革について (2/15 第8回

連載「一般相対性理論の専門書」(3)

内山 龍雄 相対性理論 序文が有名な入門書
レベル=入門書(数式あり) お薦め度=☆☆
書名   相対性理論   (物理テキストシリーズ)
著者   内山 龍雄
書誌事項 岩波書店; 1977; 231 pages; ISBN: 4000077481
amazon.co.jp》 《bk1》 
解説    日本人の相対論の教科書を紹介するのに,内山氏の著作から始めるのに異論のある方はいないだろう.私は,内山氏の相対論の教科書を3冊持っているが,今回は,岩波全書のシリーズの1つとして出版された学部学生向けの入門書を取り上げる.
 この本は,序文が有名である.「相対性理論をこれだけ平易に解説した書物は他には見当たるまいとひそかに自負している次第である.…本書を読破したなら,相対性理論を理解したという自信をもってさしつかえない.もし本書を読んでも,これが理解できないようなら,もはや相対性理論を学ぶことはあきらめるべきであろう.」ここまで書かれたら買って読むしかないだろう.
 確かに,基本に沿って,特殊相対論と一般相対論をきちんと解説する正統派の教科書だ.Lorentz変換・テンソル算・相対論的力学を論じ,等価原理・Riemann空間・重力場の方程式へと進む.Einstein方程式が登場するのは漸くの170ページ目で,残り40ページが重力場のエネルギー・重力波・Schwarzschildブラックホール・光線の湾曲である.さすがに最後は急ぎ足で,読んでもあまり得した気分にはならないが,きっちりとした前半部分は授業の種本とするには便利ではある.
 だが,このスタイルの教科書が万人に受け入れられるかどうかは,別の問題だろう.記述は正しいのだが,読んでいても内容の面白さが感じられないのだ.延々とテンソルやRiemann空間を勉強しても,その必要性が明かされるのはずっと後のこと.物理学科の学生ならば耐えられるはずだが,ちょっと興味を覚えて本を手に取った読者にはヘビーすぎる内容だ.実際,私にはこの本で相対性理論をあきらめた友人もいる.
 80年代以降の教科書には,エピソードを随所に取り入れた,読みやすいものが多く登場することになる.90年代には,岩波書店もテーマごとの入門書の出版を始め,今では大学の教科書のスタイルもずいぶん変わってきた.読者のレベルに迎合したような本のスタイルや,テーマの切り売りには賛否両論があろう.「真面目で」「きちんと」「正確に」記述している安心感を買うならば,本書は正解である.また,入門書でありながら,Kruskal座標やKerr解の説明は原論文を見よ,と突き放すところなど,内山氏の研究に対する厳しさを感じ取れる書でもある.これらの意味で,本書は,古典に入るのかもしれない.
これまでの連載内容一覧は,ここ

 
2005/02/21 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

今週のサイエンス情報

  • 【環境】京都議定書発効
    先進国に二酸化炭素などの温室効果ガスの削減を義務づける京都議定書が16日に発効し,国際法として効力を持った。京都議定書は1997年に京都市で開かれた気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で採択された。2008年から12年の間に、CO2やメタン、代替フロンなど6種類のガスを先進国全体で1990年比5.2%(日本は6%、欧州連合(EU)は8%)削減する。
    日本は2003年度、1990年比で逆に8%の排出増となっているため,計14%の削減が必要で、京都議定書の義務達成は容易ではない。世界最大の排出国である米国は2001年に京都議定書からの「離脱」を表明。経済成長に伴い排出増が続いている中国やインドなどの途上国に削減義務はなく、途上国に削減をどう促すかが今後の国際社会の課題となる。2/14 京都新聞

  • 【環境】地球観測態勢、10年で確立 約60カ国が計画採択
    地球温暖化による気温上昇や津波、地震などについて世界規模の観測システムをつくるための「地球観測サミット(Earth Observation Summit)」が16日、ブリュッセルで開かれた。日米欧、中国など約60カ国から閣僚級が参加。衛星などをつかった「全地球観測システム10年実施計画」を採択した。2015年を目標にした「10年計画」の対象になるのは、気候変動、気象情報、災害、生態系、生物多様性、健康、エネルギー資源管理、水資源管理、農業・砂漠化の9分野。それぞれの観測態勢づくりの達成目標が示された。 日本政府は、東南アジアから南アジア、インド洋全域をカバーできる地震、火山観測網を整備していく方針。日本が中心になり、地震計のほか、全地球測位システム(GPS)受信機などを配備。地震、津波の発生を迅速に監視できる態勢作りを進める。スマトラ沖などにも重点配備する。2/17 朝日新聞

  • 【天文観測】ブラックホールの質量に上限か
    X線観測衛星Chandraは,Lockman Holeと呼ばれる領域(Lockman氏が発見した水素吸収線が極端に少ない領域)に,多数のブラックホールが存在していることを,先日Hubble望遠鏡の観測と共に明らかにしたが,それらのほとんどのブラックホールの質量が,10^6-10^8太陽質量が上限となっていることがわかった.銀河中心核となるような,supermassiveブラックホールの形成過程とは異なる2種類の成長パターンがある,とする考え方を支持しそうだ.2/15 Chandra, 2/15 NASA

  • 【天文観測】すばる望遠鏡、最遠の銀河団を発見
    東京大学、国立天文台などのグループは、すばる望遠鏡によって127億年前(z=6)の宇宙に、生まれて間もない銀河団を発見した。主焦点広視野カメラ(Suprime-Cam)を用いて、くじら座の方角に,差し渡し5億光年、奥行き1億光年におよぶ広い範囲に、515個の銀河を見つけた。さらに,微光天体分光撮像装置(FOCAS)で詳細に観測した結果、直径300万光年の狭い範囲に6個の銀河が群がる、いわば“銀河団の祖先”を発見した。この銀河団は、現在の銀河団と比べると、構成する銀河の個数が少ない上、全体の質量も2桁小さい。Ouchi et al. , Astrophys. J. Vol. 620, L1-L4(2005) 2/17 国立天文台ニュース, 2/16 すばる望遠鏡

 

今週のサイエンティスト情報

  • 【政策】科学技術・学術分野における国際活動の戦略的推進について報告書
    科学技術・学術審議会第2期国際化推進委員会は,次期科学技術基本計画に向けて,国際活動の方向性を示すべく報告書をまとめた.「科学技術・学術分野における国際活動は、短期的な課題への対応はもちろん、国際的な信頼関係の醸成を進め、安定した国際関係の構築にも資するものでもあることから、中長期的な先見性を持った上で、全体的、俯瞰的に課題を把握していく必要がある。」また、「アジア諸国とのパートナーシップについては、(中略)東アジア科学技術コミュニティの構築に向けて日中韓のパートナーシップを強化する必要がある」とのこと.文部科学省

  • 【初等教育】「ゆとり教育」から脱却 文科相、中教審で表明へ
    中山文部科学相は15日、「ゆとり教育」を掲げた学習指導要領を全面的に見直すよう中央教育審議会に要請することを決めた。世界トップレベルの学力復活のために見直すべき観点として(1)基本的教科、特に国語、理数、外国語の改善充実(2)子どもたちが身に付けるべき資質・能力の到達目標の明確化(3)各教科や「総合的学習の時間」の授業時間数の在り方(4)完全学校週5日制での土曜日や長期休みの活用 (5)道徳教育や芸術教育の充実、体力・気力の向上策−などを検討課題として挙げる。 2002年に小中学校で導入したばかりの新学習指導要領の目玉であるゆとり教育の全面的な見直し方針は、学校現場の混乱を招きそうだ。(共同通信)2/15 京都新聞

  • 【教育】教員養成学部の定員抑制を撤廃へ 20年ぶりに転換
    文部科学省の調査研究協力者会議は16日、教員を養成する教育学部などの入学定員について、これまで約20年間続いた抑制方針を転換することを決めた。今後、膨大な数の教員が定年退職するうえ、少人数学級の編成で教員需要が高まることで、小中学校の教員が不足するため。これを受け、文科省は今年度中にも告示をして抑制を撤廃する方針。 文科省の調査によると、全国の公立小中学校で今年度末に定年を迎える教員数は約7700人。これが、2007年度末には約1万4000人にのぼり、18年度末には約2万5000人でピークに達する見込み。 国立大学47大学の教員養成課程の定員は,1987年度の2万人から 約1万人まで半減している。 2/16 朝日新聞

  • 【大学】テンプル大ジャパンに単位互換を認定, 外国大学日本校初
    文部科学省は14日、単位互換や大学院入学資格など国内の大学との接続を認める初めての外国大学日本校としてテンプル大学ジャパン(東京都)を指定した。 外国大の日本校は、学校教育法上の大学ではないため、卒業しても国内の大学卒業者と同じ扱いは受けられなかった。文科省は昨年、一定要件を満たせば卒業生に日本の大学院への入学資格を認め、取得した単位を日本の大学と互換できるように省令改正した。 今回、テンプル大ジャパンの教育課程がペンシルベニア州の本校と同じことが米大使館を通じて確認できたとして、対象校に初めて指定した。 テンプル大ジャパンは1982年に設立。東京、大阪、福岡で約2100人の学生が学んでおり、約3分の2が日本人という。(共同通信) 2/14 京都新聞

今週のセレブ

  • 【顕彰】チューリング賞
    米国計算機学会(Association for Computing Machinery )は, 2004年のTuring受賞者を発表した. 計算機科学の分野で,技術的貢献を行った者を顕彰するもので,Intel社から$100,000が贈呈される.
    Vinton G. Cerf
    Robert E. Kahn
    For pioneering work on internetworking, including the design and implementation of the Internet's basic communications protocols, TCP/IP, and for inspired leadership in networking.

連載「一般相対性理論の専門書」(2)

Wald General Relativity 実用的な定番
レベル=本格的に学ぶ教科書 お薦め度=☆☆☆☆☆
書名   General Relativity
著者   Robert Wald
書誌事項 Univ of Chicago Press; 1984; 506 pages; ISBN: 0226870332
amazon.co.jp》 《amazon.com》 《barnesandnoble.com
解説    連載を始めたものの,始めの何回かは定番と言われる本を紹介せざるを得ない.Waldのこの教科書は,専門家なら大学院に入ると一度は通読する本である.定番すぎて,解説するのが怖いくらいだ.  一般相対論は,物理肌の研究者と数学肌の研究者が互いに研鑽を積む学問であり,時折その温度差も楽しめる. Waldはどちらかというと数学肌か.Einsteinが作り上げた一般相対論からは,全くブラッシュアップされた一般相対論を展開している.物理的な思考回路にどっぷり浸かっていると,抽象数学の本は手ごわいばかりだが, Waldのこの本は,数学用語の中で,一般相対論で必要となることだけをきちんとまとめて提示してくれるので,とても便利である.
 多様体の説明から始まって,テンソル場・曲率へと話が展開するときには,付録で外微分形式・Frobeniusの定理・Lie微分・Killing場の説明がコンパクトに用意されている.特異点定理について概略を知るならば,Hawking-Ellisの「Large Scale Structure of Space-Time」を読まなくても, Waldの8章と9章を読めばよいし, conformal変換ならWaldの付録Dにまとめられている.そういった安心感こそ,この教科書が長く支持されている理由だろう.
 物理的なセンスが基本を貫いているのは確かなのだが,いわゆる現象論的な題材はほとんどない.ブラックホールについては熱力学まで解説されているが,宇宙論や重力波の記述は平易すぎる.spinorの章を苦労して読んでも,その応用があまり書かれていないので,御利益があまり感じられなかったりする.まあ「こんな感じの研究分野なんだな」と感触を得るには,これで十分なのかもしれないが,ちょっと濃淡がありすぎる気がしないでもない.
 Wald氏に,この教科書の執筆のきっかけを聞いたことがある.30代の半ばに,自分のためのノートとして書き始め,おおよそこの本の半分くらいまで書き上げたときに,出版の話がきたそうだ. Wald氏は,インフレーション宇宙論の一般性問題に対する「宇宙脱毛仮説(cosmic no-hair conjecture)」を一様時空について定理として証明している(Phys. Rev. D 28, 2118 (1983)).この教科書を読めば,論文の証明は練習問題のようなものに感じられる.きっと,教科書執筆の余興で,論文を仕上げたのだろう.
 
2005/02/14 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

今週のサイエンス情報

  • 【応用数理】テロの規模はベキ関数
    ニューメキシコ大学の学生の報告によると,テロの死傷者の総数 x をテロの規模とすると,その発生頻度は x^{-1.8}のベキ乗則にフィットする,という. 1968年から2004年までの187カ国,19900件のテロに関する データベースからの集計結果.ベキ乗則がスケールフリーであるため,発生頻度が時間のみの関数であると 仮定するならば,先の911テロに匹敵する規模のものは,今後7年以内に再発する可能性が 高いという. http://arxiv.org/abs/physics?0502014, 2/10 PhysicsWeb

  • 【惑星科学】これまでで最小の太陽系外惑星を発見
    ペンシルバニア州立大のWolszczanらは, Areciboの電波望遠鏡を用いて, パルサー PSR B1257+12に4番目の惑星した,と発表した. 冥王星の5分の1の大きさで,これまでで最小の太陽系外惑星だという. これまでに発見されていたパルサー PSR B1257+12の惑星の規模や軌道半径は, 太陽系の水星・金星・地球のそれらに似ていたが,新たに発見された惑星は, 軌道半径は火星と木星の中間ぐらいに相当し,あたかも太陽系の縁に相当するようなものだという. 2/11 PhysicsWeb

  • 【環境】国連が初の評価報告書案
    2/7 東京新聞 より,全文コピー)
     1950年からの40年間で森林や草地の14%が消失したことが、国連による世界初の地球規模の生態系評価報告書案で 7日、明らかになった。過去20年間に沿岸のマングローブ林の約35%が破壊されるなど人間の活動により世界で生態系の劣化が進み、生物種が絶滅する速度は自然の1000倍。報告書案は、50年後の生態系のコンピューター予測も示し、「現在のような自然資源の利用をいつまでも続けることはできない」と、人間の生態系利用の在り方に抜本的変革を求めている。 評価は「ミレニアム生態系アセスメント(Millennium Ecosystem Assessment:MA)」と呼ばれる。日本など95カ国、1300人以上の科学者が4年がかりでまとめた。
     報告書案によると、過去五十年間に森林や草地の多くが農地に転用されるなどして減少。20世紀後半の数十年間では世界のさんご礁の4分の1がなくなり、沿岸のマングローブ林の破壊も深刻だった。 漁業や水資源のために重要な淡水域の生態系破壊も激しく、現在残る湿地は1900年ごろの半分だけ。世界中の主要な500の河川の半分以上が、深刻な水質汚染や水不足に見舞われている。 この結果、過去100年間に分かっているだけで約100種類の鳥や哺乳類、両生類が絶滅。この速度は自然に起こる絶滅の100倍以上にもなるという。 報告書案は「今の傾向が続けば2050年までに、残された草地や森林の20%が破壊される」と予測。「この結果、人間の生活自体が立ち行かなくなる」と警告した。また、地球温暖化がこの傾向をさらに悪化させるとの予測結果も紹介。大気中の二酸化炭素濃度を450ppm以下に抑える努力などを求めた。

 

今週のサイエンティスト情報

  • 2月2日に配信された大学情報記事から,題目のみ.
    【注目記事】助手を2分類、「助教」新設へ....当サイト 1/25既報
    【大学改革】(1)北海道大、法学部で2年次からの編入認める
    【大学改革】(2)北海道大、ムーミンを題材にした授業を開講...全学部の1年生がフィンラ ンドの文化や社会について学ぶ授業
    【大学改革】(3)東北大が学長選挙を廃止...2006年より「学長選考会議」が審査して学長を決める
    【大学改革】(4)東北芸術工科大が大学院設立、映画プロデューサーなど育成
    【大学改革】(5)茨城大が福島高専と県境越え単位互換協定
    【大学改革】(6)東京大が経済界と産学連携協議会を設立
    【大学改革】(7)東京大が授業料値上げ−博士課程は据え置き....15000円,当サイト 1/25既報
    【大学改革】(8)慶応大、MBAと医科学修士の「乗り入れ」制を導入...医療・医薬、バイオに詳しい経営者の育成
    【大学改革】(9)テンプル大ジャパン、大阪駅前に分校...企業研修プログラムや英語集中講座
    【大学改革】(10)足利工業大が「花火大学院」開設...工学 研究科機械工学専攻内に「煙火専修」
    【大学改革】(11)福井大、医工連携拠点を創設へ...「生命科学研究センター」(仮 称)
    【大学改革】(12)関西3大学がEU研究の拠点に−奨学金制度も...神戸大学、関西学院大学、大阪大学
    【大学改革】(13)広島大がバングラデシュの小学校支援事業を受託
    【大学改革】(14)県立広島大、大学院に「一年制課程」を設置
    【大学改革】(15)徳山大が徳山高専と協力協定
    【大学改革】(16)萩国際大がゴルフ場を運営
    【トピック】(1)留学生受け入れ、質の向上を−総務省が提言 ... 総務省・留学生の受入れ推進施策に関する政策評価
    【トピック】(2)センター試験終了、得点調整せず
    【トピック】(3)国公立大2次試験、願書受け付け
    【トピック】(4)東京大、自然科学と工学で世界7位−英タイムズ紙....当サイト 1/18既報
    【トピック】(5)国内初のアニメ専門職大学院
    【トピック】(6)株式会社大学、全国学長の42%が容認−日経調査
    【トピック】(7)LEC大通信制課程認可−大学設置審が答申
    【トピック】(8)大学の約7割が「YESプログラム」導入に前向き 厚生労働省・「若年者就職基礎能力支援事業(YESプログラム)」
    【トピック】(9)就職内定率、大学生は微増...2004年12月1日時点で74.3%
    【トピック】(10)理系男子、松下が初の首位に−大卒就職人気企業
    【トピック】(11)中国・同済大が大阪に分校
    【海外大学事情】(1)ドイツ−大学の授業料徴収が可能に−独連邦憲法裁
    【IT化】(1)関西大がネットで法律相談

  • 中央教育審議会,我が国の高等教育の将来像
    中教審は,若年齢層の減少を最大の理由にして,『主として18歳人口の増減に依拠した高等教育政策の手法はその使命を終え, 「高等教育計画の策定と各種規制」の時代から「将来像の提示と政策誘導」の時代へ と移行する。』とする高等教育の将来像を発表した. 国の今後の役割は,[1]高等教育の在るべき姿や方向性等の提示,[2]制度的枠組みの 設定・修正,[3]質の保証システムの整備,[4]高等教育機関・社会・学習者に対する各 種の情報提供,[5]財政支援等が中心になる,としている. 1/31 中教審,我が国の高等教育の将来像

 

新連載「一般相対性理論の専門書」(1)

突然ですが,連載開始.
Misner, Thorne and Wheeler Gravitation 必携の「電話帳」
レベル=本格的に学ぶ教科書 お薦め度=☆☆☆☆☆
書名   Gravitation
著者   Charles W. Misner, Kip S. Thorne, and John A. Wheeler
書誌事項 W. H. Freeman; 1973; 1215 pages; ISBN: 0716703440
amazon.co.jp》 《amazon.com》 《barnesandnoble.com
解説    その分厚さから「電話帳」(英語でも"phonebook")と呼ばれる,研究者必携の本.30年前に書かれたとは思えないほど,内容は現在でも定番で,デザインも新鮮である.
 一般相対論の数式を記述する時は,計量の符号・添字の種類や曲率の定義の符号が人によってまちまちであり,よくトラブルの元になる.Gravitationは,表紙の裏にそれまでの教科書の符号の定義を一覧する表を付し,しかも一般相対論のほとんどすべての分野を網羅的に統一して記載したために,この本のnotation(-+++)が,その後の数式記述のスタンダードになった.10年前は,論文で一言「notationはMTWに従う」と書いていたものだが,最近ではその必要もなくなった.
 外微分も併用して記述している初めての教科書であり,例えば「具体的な曲率の計算方法(Box 14.5)」など,私は何度世話になったか数えきれない.しっかり読んだのは数章にすぎないが,事典的にいつも傍らにいる教科書である. spinorやRegge calculusまでをカバーしていて,大学院生でも十二分に楽しめる.実はこの本の英語は結構難しい. nativeでないと楽しめない言い回しがたくさんあるので,初学者は英語にとらわれず数式を追うだけでも十分だろう.
 読者のレベルを2段階に分け,しかもコラム形式を多用している点は,その後の教科書の読みやすさを進化させた.これらのセンスは,WheelerとThorneによる.Wheelerの論文は図も多く常に示唆的であり,Thorneのレビューはコラムの囲み記事だけを読み進めればよい構造になっていることが多い.心配りといい,内容の広さといい,非の打ち所がない教科書で,100ドルは惜しまず払うべきである.
 しかし,30年もたつと,宇宙論の記述はさすがに古くなっている.「Gravitationの第2版が出る」という噂は時々あるのだが,Thorne氏と雑談した際に伺ったところ「その計画はない」とのお答え(2002年秋).「1ページでも変えて,第2版にすれば,世界中の研究者は買いますよ」と言ったら,彼は微笑んで「もっと違うスタイルを考えているんだ」と宣った.
 ちなみにこの本のコラムで紹介されている研究者で,執筆当時に生存している人(今でもご存命であるが)は,PenroseとHawkingの二人だけだそうである(佐藤文隆氏が以前どこかで書いていた).
 
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今週のサイエンス情報

  • 【天文観測】ハッブル望遠鏡は修理せず廃棄へ
    米議会筋は、部品の消耗などで存続が危ぶまれるハッブル宇宙望遠鏡の延命措置を講じる飛行計画が、 予算案から外され、廃棄される見通しになったことを明らかにした。 ハッブルの延命については、「シャトルによる有人飛行で改修し、存続させるべきだ」との意見が議会や専門家から出されていた。 当初、延命に消極的だったNASAも方針を変更。通常より遠い軌道への飛行となり乗組員の安全が確保できない シャトル飛行の代わりに、ロボットを使用した無人改修を計画していたが、この代案もコストがかかるとして見直された模様だ。 1/22 読売新聞

    しかし,当のハッブル宇宙望遠鏡は,次々と 新発見を報告している. 「らせん状星雲NGC 7293は,2つのガス円盤からできている」 (1/21 AstroArts) 「小マゼラン雲に2500個ほどの若い星を発見」 (1/24 AstroArts) 「太陽サイズの恒星の周りに、惑星形成の残骸のリング」 「225光年の距離にある褐色矮星の伴星は、木星の5倍の惑星」 (1/28 AstroArts) などなど.

 

今週のサイエンティスト情報

  • 中教審,大学に教育課程充実求める
    高等教育の在り方を検討していた中央教育審議会は28日、大学が学部学科や研究科といった組織本位の発想を改め、 学位を与えるのにふさわしい体系的な教育課程をつくるよう促す答申を文部科学相に提出した。 大学志願者数が入学者数と一致する「全入時代」が2007年に到来することを踏まえ、教育の質を重視する考え方に転換するよう要請した。早急に取り組むべき重点政策として、教育課程改善に加え、教養教育や大学院教育の充実も求めた。 ほかの重点政策として(1)大学同士の競争が激化する中で各校が経営改善に努める(2)世界トップクラスの大学院を形成する(3)これまで指摘されてきた「卒業が簡単な大学」から脱却、「出口管理」を強化する−などを挙げた。(共同通信) (1/28 京都新聞) (1/24 中央教育審議会・大学の教員組織の在り方に関する検討委員会 )

  • 総合科学技術会議,「国の研究開発評価に関する大綱的指針」のフォローアップ
    総合科学技術会議は, 評価専門調査会(第41回)議事次第(平成17年1月24日)を 公開した. 『研究開発評価の今後の課題と改善方向』として, (1) 創造への挑戦を励まし成果を問う評価, (2) 世界水準の信頼できる評価, (3) 活用され変革を促す評価,の3点を挙げている.
    総合科学技術会議は,閣僚と少数の有識者議員から構成され, 国全体の科学技術を俯瞰し,総合的・基本的な科学技術政策を企画立案・総合調整する機関.

  • 日本学術会議,新しい体制の在り方に関する懇談会
    日本学術会議は, 日本学術会議の新しい体制の在り方に関する懇談会(第4回)・次第 (平成17年1月24日)を 公開した.事務局の再編をはじめとして, 国際交流体制, 政策提言機能に関する規定, 総合科学技術会議と日本学術会議の連携について ,等が議題に上がっている.
    日本学術会議は,科学者210名から構成され,科学に関する重要事項を審議し, 科学者の意見を広く集約し,科学者の視点から中立的に政策を提言する機関.

今週のセレブ

  • 【顕彰】クラフォード賞
    Crafoord財団(スウェーデン)は, 2005年のCrafoord賞受賞者を発表した.今年の授賞対象分野は天文学で,賞金は50万USドル. (受賞者一覧はここ
    James E Gunn
    P James E Peebles
    Martin J Rees
    for contributions towards understanding the large-scale structure of the Universe
 

今週の「Googleで人工知能」

 New Scientist誌の サイトに1月28日掲載されたニュースに, 人工知能研究に対して,インターネットの検索サイトGoogleが 役に立つという報告があった.2つの言葉がどれだけ近い関係にあるのか,ということをコンピュータに教えるために, Googleで2語の同時検索を行い,そのヒット数を指標として用いるというアイデアである. 例えば「帽子」という言葉は「バナナ」という言葉より「頭」という言葉と同時に使われることの方が多い. だから「帽子」は「バナナ」より「頭」に関係する言葉である,というような 単語のカテゴリー化と定義を行う発想である. オランダの研究者Paul VitanyiとRudi Cilibrasi が,Googleの検索結果を統計的に処理した 「規格化Google距離(normalised Google distance, NGD)」で, 単語同士の意味の近さを個別にコンピュータが自動的に判定できることになるという.
 実はこのような,単語の近さに関する距離概念は,すでに提唱されていて,例えば,
  • 「Google Hacks―プロが使うテクニック&ツール100選」 タラ・カリシェイン, ラエル・ドーンフェスト (著), 山名 早人, 田中 裕子 (翻訳),オライリー・ジャパン,2003年 《amazon.co.jp》 《bk1
  • 原著は第2版が出ていて Google Hacks, 2nd Edition (O'Reilly Media, 2004) by Tara Calishain, Rael Dornfest 《amazon.com》 《barnesandnoble.com
に紹介されている 「TouchGraph Google Browser」 を使うと,GoogleをベースにしたURLの関係を図式化して見ることができる(日本語サイトではうまく機能しない). ちなみにこのサイトは,Amazon社の書籍情報から同様の関連図を描き出す 「TouchGraph Amazon Browser」 や,30000件のweblogを対象にした 「TouchGraph LiveJournal Browser 」 も備えていて,なかなか面白い.
 Googleは登場して以来,そのヒット率の良さで,他の検索サーチエンジンは 駆逐されている感がある.よく知られているが, Googleの検索結果の表示順は 「利用者が最も探している情報は,最も多くのリンクが張られている ページである」というロジックで決められている.80億ページのページキャッシュからなる大きな辞書でもある. Googleも民間会社ゆえ,(訴訟を恐れる等の理由で) その表示順に 意図的な操作が加わることもあるようだが,人工知能の教育にはそのような意図的なランキング操作は 全く影響のないことだろう.
 余談が続くが,Googleサイトは,各国版があり,各国固有の情報を調べるには,その国のGoogleサイトで調べるのが 確実である.私の検索ページには,いくつかのGoogleリンクを設けている.
 
2005/01/25 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

今週のサイエンス情報

  • 【宇宙物理】天の川銀河の中心付近に1万個のブラックホール
    NASAのChandra X線観測衛星によって、 天の川銀河中心のSgr A*(いて座A*)周辺の領域で、3光年の範囲内に中性子星を伴った恒星サイズのブラックホールが4つ 発見された。(1/10 Chandra プレスリリース) このようにブラックホールや中性子星が集中しているのが明らかになったことから、 実際には天の川銀河の中心付近には相当数(1万個程度)のブラックホールと中性子星が存在していると推測されている。 (1/20 AstroArts

 

今週のサイエンティスト情報

  • 大学に新ポスト案、助手改め「助教」 文科省が法改正へ
    中央教育審議会の「大学の教員組織の在り方に関する検討委員会」は19日、 現行の助手職の中で自ら教育研究を行う若手教員を、「助教」という新設ポストに就ける制度改正案をまとめた。 現状では、助手の中に主に教育研究に携わっている人と、研究の補助的な業務をしている人が混在している。 研究補助者については今のまま助手とし、将来の教授候補として教育研究を行う人材を「助教」に登用することにした。 同省は、助教授職を国際的通用性のある「准教授」と改正する方針も固めており、 数年後には教授−准教授−助教という新たな職制が実現する。 (1/19  朝日新聞) (中央教育審議会大学分科会

  • 中山文科相、総合学習削減の意向 教科の授業時間確保
    中山文部科学相は18日、学力低下問題で国語・数学(算数)・理科・社会の4教科の授業時間を増やすため、「総合的な学習の時間」(総合的学習)の削減も含めた教育課程の見直しが必要だとの考えを示した。総合的学習は、教科の枠を超えた学習で子どもの問題解決能力などを養うのがねらい。「ゆとり教育」を進める新学習指導要領の象徴として02年度から正式に導入されたばかり。文科相の考えは、「ゆとり」路線からの転換を決定づけ、文科省が昨年12月から始めている学習指導要領の見直しの方向性に大きな影響を与えるとみられる。 (1/18 朝日新聞 1/19 読売新聞) 現場では,総合学習の時間の利用状況と文部科学省の方針の無さに賛否が渦巻いている. (1/20 毎日新聞)

  • 53国立大が値上げへ 今春、授業料1万5000円
    国立大の年間授業料の目安となる「標準額」が今春、現行の52万800円から1万5000円引き上げられるのに伴い、 全国83の4年制国立大のうち、少なくとも53校が標準額にそろえて値上げすることを決めたか、 値上げの方向であることが22日、共同通信社の調査で分かった。 (共同通信) (1/22 京都新聞)

今週のセレブ

  • 【顕彰】ウルフ賞
    Wolf財団(イスラエル)は, 2005年のWolf賞受賞者を発表した (当のWolf財団のページには情報がまだ無い). 賞金はUS$100,000. (物理,数学部門の一覧はここ
    物理学賞Daniel Kleppner for ground-breaking work in the atomic physics of hydrogenic systems, including research on the hydrogen maser, Rydberg atoms and Bose-Einstein condensation. (1/18 PhysicsWeb
    数学賞Gregory Margulis for his monumental contributions to algebra, in particular to the theory of lattices in semi-simple Lie groups, and striking applications of this to ergodic theory, representation theory, number theory, combinatorics, and measure theory.
    数学賞Sergei Novikov for his fundamental and pioneering contributions to algebraic and differential topology, and to mathematical physics, notably the introduction of algebraic-geometric methods.
 
2005/01/18 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

今週のサイエンス情報

  • 【惑星科学】土星の衛星TitanにHuygens衛星が着陸
    土星の衛星タイタンに小型探査機ホイヘンスが14日,無事に着陸し,画像とデータの送信を始めた. 欧州宇宙機関(ESA)米国航空宇宙局(NASA)の ページで,映像と音声データが入手できる.公表された写真の第一報では, 峡谷や湖のような地形があること,及びメタンが大気中に含まれているらしいことが報告されている. 1/17 AstroArts 【2005年1月17日 NASA Mission News / ESA Cassini-Huygens News / ESA Article Images / ESA News

  • 【地球物理】スマトラ沖地震で地球の自転わずかに速まる
    米航空宇宙局(NASA)は10日、昨年12月26日のスマトラ沖地震の影響で地球の自転速度が わずかに速まり、1日の長さが100万分の2.68秒短くなったとの解析結果を発表した。 地球の中心部に向け大量の物質の移動が起きたのが原因とみられる.標準時への影響も「無視できる」という。 (共同通信)
 

今週のサイエンティスト情報

  • 1月1日に配信された大学情報記事から,題目のみ.
    【注目記事】大学は「出口管理」の強化を−中教審が中間報告....当サイト 1/2既報
    【大学改革】(1)東京工業大が博士一貫コース導入へ.......電気系5専攻に、原則4年で修士/博士両課程を修了できるコース
    【大学改革】(2)慶応大が韓国・延世大と複数学位制導入に調印
    【大学改革】(3)常磐大が大学院に「被害者学研究科」を設置
    【大学改革】(4)大阪大が博士号取得条件に対話能力......博士号取得にはコミュニケーション講座を条件
    【大学改革】(5)神戸大が神戸市灘区と人材育成などで協定
    【大学改革】(6)京都大が07年度から「後期入試」廃止....当サイト 12/15既報
    【大学改革】(7)龍谷大、入試得点8割で授業料半額
    【大学改革】(8)奈良大が通信教育で文化財歴史の専門教育
    【大学改革】(9)鳥取大が韓国・釡慶大と複数学位制導入に調印
    【大学改革】(10)広島大が北京でオープンキャンパス開催へ
    【大学改革】(11)愛媛大が発達障害支援の専門家養成へ
    【トピック】(1)国立大授業料、来春1万5000円値上げへ....標準額は535,800円(財務省・平成17年度予算原案
    【トピック】(2)大学の評価機関、新たに2団体を認証−中教審答申... 大学評価・学位授与機構と短期大学基準協会
    【トピック】(3)教員就職率が5年連続で上昇
    【トピック】(4)日本への留学生が11万人突破.........日本学生支援機構
    【トピック】(5)4年制専門学校の卒業生に大学院入学資格付与へ
    【トピック】(6)北野武さんが東京芸大教授に
    【海外大学事情】(1)中国−大学生の年収は13万円
    【IT化】(1)東京大が学生証にICカード導入
    【IT化】(2)早稲田大が携帯活用した中国語学習システム開発
    【IT化】(3)京都大が講義をネットで公開へ
    【IT化】(4)佐賀大が高校生向けネット授業を検討

  • 英タイムズ紙の世界の大学ランキング
    英タイムズ紙は,14日, World University Rankings 2004を発表した. 1/14 読売新聞によれば, 同紙は〈1〉医学を除く自然科学分野と、〈2〉工学・情報分野で世界のトップ100大学を選定。東大は両分野とも7位だった。 日本の大学ではこのほか、自然科学分野で京大(15位)、大阪大(43位)、東京工業大(55位)、東北大(57位)、名古屋大(69位)が、工学・情報分野で東京工業大(11位)、京大(23位)、大阪大(43位)、東北大(79位)がトップ100位に入った。

  • 青色発光ダイオード訴訟: 発明の対価、8億4391万円で和解
    青色発光ダイオード(LED)の発明者、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が、 勤務先だった精密機器メーカー「日亜化学工業」に200億円の発明対価を請求した訴訟の控訴審が 11日、東京高裁で和解が成立した。日亜側が8億4391万円を支払い、中村教授は自らが関与した特許など 計195件を含むすべての対価請求をしないとの内容。 1審の東京地裁判決(2004年1月)は、発明の対価を約604億円と認定。中村教授の請求通り200億円の支払いを命じたが、 大きく減額された。日亜の経営に多大な影響を与えないよう高裁が配慮し、円満解決を働きかけたとみられる。 発明対価を巡る訴訟としては、調味料メーカー「味の素」の人工甘味料製法特許訴訟での1億5000万円を超える過去最高額だった。 1/11 毎日新聞1/11 日経BP. 「日本の司法は腐っている」、中村修二氏が記者会見で. (1/13 日経BP).

今週のセレブ

  • 【顕彰】日本国際賞
    財団法人国際科学技術財団は,第21回となる日本国際賞受賞者を 13日に発表した.今年は,情報・メディア技術と細胞生物学が対象で,各賞ごとに賞金5000万円が贈られる. 来年度の対象分野は, [地球環境変動]と[治療技術の開発と展開]とアナウンスされている.
    情報・メディア技術長尾真 自然言語処理及び画像の知的処理に対する先駆的貢献
    細胞生物学竹市雅俊
    Erkki Ruoslahti
    細胞接着の分子機構解明における基本的貢献
 
2005/01/02 前回へ / 次回へ / ページ先頭へ
 

いよいよ「2005年 世界物理年(国際物理年)」がスタート

2005年は, アインシュタインの1905年の業績から100年を記念した,世界物理年. 世界各地で,物理に関する催しが開かれる(専門家向けイベント情報). 日本でも, 世界物理年日本委員会事務局(財団法人 日本科学技術振興財団内)が 世界物理年webページを準備しており, 関連イベント情報を掲載している.
  • 日経サイエンス2004年12月号は,特集「アインシュタイン 相対論から100年」.歴史的・哲学的・科学的な側面や 現代技術への応用までを含む幅広い視点から記事を組んでいる.
  • 朝日新聞は,元旦の特別記事で「科学」特集がついた.
  • 毎日新聞webでは, アインシュタイン来日時のエピソードを中心にしたコラムが読める.
理系離れや理数系の学力低下が叫ばれて久しく,この機会に,サイエンス全体への 注目度を増して,教育関係者にも科学研究者にも,そして幅広く多くの方にも有益な年となってもらいたいものだ.
このサイトは,相変わらず個人の趣味の範囲内で,メモ書き程度に情報をまとめていくつもりである.

今週のサイエンス情報

  • 【地球科学】スマトラ沖地震の地震波、地球を8周か?
    26日に発生したスマトラ沖大地震(深さ32Km,M9.0,断層長さ560キロ、最大13.9mのずれ) の地震波が地球を少なくとも5周回っているのが日本で観測されていたが, (日本時間26日午前9時58分に発生した本震の地震波が北東方向に地表を進み、長野市に午前10時20分ごろ到達。 2周目は午後0時55分ごろ、3周目は午後3時30分ごろに観測された。震源から南西方向に進んだ地震波は、 1周目は正午ごろ、2周目は午後2時40分ごろに到達した。どちらも発生の約17時間後までに5周したことが 確認された。) さらに発生の約28時間後まで詳細に解析すると6周目とみられる波形があり、7,8周目らしい形も記録されているという。 過去の記録では,1960年のチリ地震(M9.5)で、米国が記録した地球3周が最長とのこと. 12/28 朝日新聞 12/27 朝日新聞 12/31 朝日新聞

  • 【惑星科学】米欧の探査機カッシーニ 土星の月に小型探査機放出
    米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の土星探査機カッシーニは米東部時間24日夜、小型探査機ホイヘンスを土星最大の衛星タイタンに向けて放出した.20日ほどかけてタイタンに接近し、1月14日、謎の多いタイタンに、時速2万2000キロで大気圏に突入した後、人工物体として初めて軟着陸する予定。 タイタンの地表は零下180度ほど。保温のためのバッテリー容量に限りがあるので、 ホイヘンスが着陸してからデータを送信できる時間は最大でも30分間ほどだという。 12/25 朝日新聞

 

今週のサイエンティスト情報

  • 大学評価の問題を考える学術誌発刊
    大学評価学会(事務局・京都市伏見区)は、文部科学省の認証機関が実施する大学評価の問題を考える学術誌 「21世紀の教育・研究と大学評価」 《amazon.co.jp》 《bk1》 を1月10日に発刊する。 A5判90ページ。1000円。晃洋書房。 12/27 京都新聞

  • 中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像」(中間報告)
    中央教育審議会は、2015年から20年までを想定した日本の高等教育の将来像とそこに至るまでの中期的なロードマップを 「我が国の高等教育 の将来像」(中間報告)として示した。 国の役割が「高等教育計画の策定と各種規制」から「将来像の提示と政策誘導」へと変化してきたことから、 各機関の役割を明確化し、教員組織や学位のあり方など教育システムを再構築する。文部科学省ではこれを受けて、 来年1月から始まる次期通常国会に学校教育法の改正案を提出するほか、関係省令を改正する。 (12/24 科学新聞). 文部科学省は,この報告書に対する 意見募集を実施している.  

  • 理数系学会教育問題連絡会が「ゆとり教育は失敗」
    理数系の13団体で作る理数系学会教育問題連絡会(下記)が27日、中央教育審議会にあてて、総合的学習などに代えられた理数科目の授業時間復活を求める提言を提出した。 「ゆとり教育は失敗」「学力低下対策で理数科目の授業を減らす先進国は日本だけ」「生きる力を育てる趣旨は結構だが、系統だったカリキュラムを破壊した今のゆとり教育は、逆に子どもたちの考える力を落とした明らかな政策の失敗だ」と記者発表した. 同連絡会によると、中学3年生の平均授業時間に占める理科、数学の割合はアメリカで30%、イギリス28%、フランス27%に対し、日本は23%で、さらに減らそうとしている。提言は現職教員へのサポートや、理数系学部出身者の小学校教員への登用なども求めている 12/28 朝日新聞
    理数系学会教育問題連絡会:
    [数学系]: 日本応用数理学会, (社)日本数学会, (社)日本数学教育学会
    [物理学系]: (社)応用物理学会, (社)日本物理学会, 日本物理教育学会
    [化学系]:日本化学会 化学教育協議会
    [生物系]: (社)日本植物学会, (社)日本動物学会, (社)日本生化学会, 日本生物教育学会
    日本科学教育学会日本地学教育学会日本理科教育学会

今週のセレブ

  • 【顕彰】朝日賞発表
    朝日新聞社は,1日,2004年度の 朝日賞受賞者を発表した.物理・数理・医科学関係は, 次の2人.正賞のブロンズ像と副賞(500万円)が贈られる.
    板倉文忠携帯電話の基盤となる音声圧縮技術の開発
    田中啓二たんぱく質分解にかかわるプロテアソームの構造と機能の解明

 

今週の「World of Physics; 2004 highlights」

本サイトでは アメリカ物理学会の選ぶ2004年物理ニュースScience誌の2004年10大ニュースを紹介したが,今週は, イギリス物理学会の選ぶ2004年のhighlights を紹介したい.
(以下はとりあえず英語を転記,書き直しは乞ご期待)
順位 項目
1.Pure and applied quantum physics
2. Putting general relativity to the test
3. Good year for planets
4. Supersolid helium
5. Ultracold Fermi gases
6. Physicists target viruses
7. Electrons in a spin
8. Liquids go against the flow
9. Smallest atomic clock
10. Particles and prizes

2004年12月以前の分はここ


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